自民党の菅義偉元総務相(衆院2区)は5日、都内で開かれた指定都市市長会主催のシンポジウムにパネリストとして参加した。「地方分権の実現に与野党の垣根はない」と持論を展開。「志ある議員は抵抗勢力と闘わなければならない」と呼び掛けた。
シンポには民主党から原口一博前総務相が出席。菅氏は「『地方分権』(前政権)、『地域主権』(新政権)と主に使ってきた言葉は異なるが、自治体へ権限や財源を移して元気な地域づくりを目指そうという理念は同じ」と説明。「改革の最大の焦点は出先機関の廃止」とした上で、「自民では省庁出身の族議員、民主では国家公務員労組が抵抗勢力になっている。勝つためには超党派の連携が必要だ」と指摘した。
過激な発言に臨席の原口氏は苦笑い。「組合からの圧力はない」などとかわしながらも「出先の改革は肝。たしかに、関係している人たちほど、廃止をしない理屈づけがうまい」とおおむね意見に同意した。
また「努力しない自治体ほど国費が投入される仕組みについて、さらなる見直しが必要だ」との菅氏の提案に「すごい大事なこと」と応じる場面もあった。