相模原市内の桜が今月、腐朽が進み倒れた事故で、加山俊夫市長は27日、市のシンボルである市役所周辺の桜並木の保存に取り組む意欲を示した。市は今後、市民や樹木医など有識者から意見を聞く場を設け、市民とともに保存に取り組みたい考え。市議会本会議で、二木栄一氏(相模原市民連合)の質問に答えた。
二木氏は、市役所周辺の桜並木は市のシンボルとなっているが、寿命を迎え、倒木の危険性があると指摘。人的被害が出る前に、安全性の確認や、保存方法を市民と協議することが必要だと訴えた。
加山市長は「市民の安全、安心の確保が最優先。倒木の危険性のある桜は若木に更新するなどし、次世代につなげたい」と語った。
市道路整備課によると、市役所周辺の約400本の桜のうち、2008年度に市役所さくら通りの313本の調査を実施。腐朽の進んだ1本を伐採して新たな若木を植えたほか、37本は、土壌改良して経過を観察しているという。
しかし、ほとんどが樹齢50年を越えていることから、保存には段階的に若木に植え替えるなどの処置が必要。市民らから意見を聞き、保存に理解を求める必要があると判断した。
事故は3日午前11時ごろ発生。市消防局(中央区中央)前の市道に植えられた桜1本が歩道に倒れた。けが人はなかったが、一時歩道をふさぎ、近くの店舗のフェンスなどを壊した。
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