小田急電鉄の特急車両を使ったNBC(核兵器、生物・化学兵器)テロ対処合同訓練が29日、小田急片瀬江ノ島駅の構内で行われた。県警NBCテロ対応専門部隊、藤沢署、藤沢北署、藤沢市南消防署、小田急電鉄などから総勢約150人が参加し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の警備対策の一環として実施した。
訓練は午前10時すぎ、同駅に到着した特急ロマンスカー内で異臭がし、乗客が倒れているという想定で開始。異常を訴えた乗客8人のうち、比較的症状の軽い6人は警察官の肩につかまりながら、駅前広場に待機中の救急車まで移動した。
重症の2人は、全身を防護服で覆った県警専門部隊員らが担架で搬送。その後、車内で汚染物質の検知、防除を行い、不審なペットボトルを円筒形の金属製密閉容器に収納、搬出して訓練を終えた。
同駅に到着した観光客らの中には、合同訓練を”本物”と勘違いし、何が起きているのかを駅員に問いただす人も。訓練参加者は「ロマンスカーの実車を使い、実践的な対応策を学ぶことができた」と成果を強調していた。
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