人口減に悩む秦野市が2月にオープンした定住促進住宅「ミライエ秦野」が、満室となる見通しとなった。間取りや手頃な家賃などが人気の理由という。市は「こんなに早く満室になるとは思わなかった」と喜んでいる。
子育て世代に最長5年間、市内に試し住みしてもらう試み。同市曽屋の6階建て築40年の元社宅を約5億円で購入、改装した。市によると、全57戸の8割に当たる45戸が入居した場合、家賃収入だけで、改修費や維持費、建物の最終的な解体費などの経費(土地購入費と住宅購入助成金を除く)を賄うことができる。
入居対象は35歳以下で夫婦のみか、未就学児がいる夫婦などに限定。入居理由としては(1)4タイプの間取りがある(2)家賃は月4万5千~4万7千円で敷金、礼金がない(3)市内に自宅を購入した場合、助成金として、入居していた月数に1万円を掛けた金額(最大60万円)が支給される-などという。
現在、56戸が契約済みで、1戸が申し込み中。内訳は市外からの転入が26世帯、市内からの転居が31世帯という。市職員も2世帯入った。市建築住宅課は「集会室に市内の物件情報を掲示するなどし、最終目標の定住につなげていきたい」と話している。