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生活保護費の不正受給、神奈川県内は7億3646万円と、過去最悪に

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2010年3月15日(月) 23:35

収入を隠すなどして生活保護費を受け取る不正受給が、県内で後を絶たない。県内51カ所の福祉事務所がまとめた2008年度の不正受給総額は7億3646万円に上り、過去最高額を更新。景気低迷に伴う受給世帯数の増加とともに伸び続けており、各自治体は実効性のある防止策を模索している。

半年前から月額5万円ほどのアルバイト収入があったが申告していなかった―。横浜市内の男性は課税台帳に記載された所得額で就労事実が発覚。その後の生活保護費から毎月約8千円を市に返金している。

同市の08年度の不正受給総額は4億4770万円。昨年5月に4万世帯を突破した被保護世帯数の伸びに比例し、不正受給件数も右肩上がりだ。担当者は「発覚後に保護費の一部で返金するとさらに生活が苦しくなり、新たな『隠れ就労』につながる」と悪循環を懸念している。

県と横浜、川崎両市が国に報告した08年度の不正受給状況(生活保護法第78条適用)によると、県内の不正受給総額は前年度から約9360万円(14・6%)増加。件数も236件増えて1313件となった。

目立つ手口は▽日雇い収入を隠していた▽家族が無断でアルバイトをしていた―といった「働いて得た収入の無申告」が740件で全体の56%を占めた。▽給料所得のみを申告しボーナス支給額を隠していた▽雇用期間を短く申告していた―など「収入の過少申告」は190件、年金など「各種給付の無申告」は113件だった。自治体が提訴したケースはなかった。

不正受給対策は、国の処理基準で課税台帳の照合徹底が定められている。だが、前年所得の確認では未然防止につながらず、「本人の善意に頼るしかない」(横浜市)のが現状だ。さらに、不況や高齢化に伴い急増する新規申請の処理に追われ、ケースワーカーによる家庭訪問調査が追いつかないのも、増加に歯止めがかからない一因という。

不正受給が保護費支給額全体に占める割合は0・4%にすぎないが、各自治体は「貴重な税金を充てている以上、額の大小にかかわらず許すわけにはいかない」と、効果的な防止策の検討を始めている。

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