鎌倉市の大船観音前マンション問題で、開発業者が県を相手取り起こした行政訴訟への市の補助参加について、松尾崇市長は8日、「(第1回口頭弁論が始まる)15日までにしっかり判断しないといけない」と述べた。市長は補助参加の取り下げをマニフェストに掲げており、控訴審開始前に裁判から身を引く方針を事実上示した。
市議会定例会で早稲田夕季氏(民主)の質問に答えた。松尾市長は3日の一般質問で、補助参加を取り下げる時期について「慎重に判断したい」としていたが、この日は一歩進めた答弁となった。
行政訴訟は、市の開発許可を取り消した県開発審査会の裁決の取り消しを求め業者側が提訴。市も業者側で補助参加していたが、8月に横浜地裁で業者側の請求を棄却する判決が出され、業者が控訴していた。
市側は、松尾市長就任前の10月28日付けで準備書面を東京高裁に提出。書面では地裁判決に異議を唱え、市の一連の手続きの正当性を主張している。松尾市長は地裁判決に従う姿勢を示しており、早稲田氏はこの矛盾点を追及するとともに、市長交代を承知の上での書面提出を批判した。
これに対し、市側は「10月28日が提出期限だった」と弁明。松尾市長は「準備書面は、口頭弁論が始まる12月15日で効力を発揮する」とした上で、「当然、そこまでに判断していく必要があると認識している」と述べた。
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