横浜駅周辺の20年後を見据えたまちづくりの指針となる「横浜駅周辺大改造計画」がまとまった。線路上の空間を利用して駅の東西をデッキで結んだり、駅近くを流れる帷子川に親水空間を整備するなど、「国際都市・横浜の玄関口にふさわしい姿」に整えようとする内容。横浜市は今後、2010年度の早い時期に官民一体の推進組織を設け、「計画を進めたい」としている。
計画は、市や鉄道事業者、有識者らでつくる「横浜駅周辺大改造計画づくり委員会」(委員長・小林重敬東京都市大学教授)が07年5月から計13回の議論を経てまとめ、1日、林文子市長に提出した。
計画の対象エリアは、みなとみらい21(MM21)地区の一部を含む駅周辺の約100ヘクタール。首都圏有数のターミナル駅である横浜駅の現状について計画は、(1)駅東西の移動は地下のアップダウンなどで円滑な人の流れが妨げられている(2)来街者や観光客を引きつける魅力的な空間や横浜らしさを感じさせる景観が不足している―などと指摘。
こうした課題克服のため、東西連絡デッキの設置に加え、駅の地下通路と地下街を接続させ、駅を「デッキ」「地上」「地下」の3層構造とすることを提言。各層を歩行者が自由に行き来できるよう、エスカレーターなどで立体的に結ぶ空間の確保も求めている。
交通対策では、既存の地下駐車場を連絡路で結ぶことで、駅前への自動車の流入を減らすなどの整備方針を提言。河川改修や橋の架け替えなどによる治水対策も盛り込んだ。
計画は、10年を一つの区切りに2段階で進められる。
小林委員長から計画を受け取った林市長は「しっかりと取り組みたい」と計画推進に意欲を示した。
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