市長交代、どうなる緊急医療センター/横須賀市
政治・行政 | 神奈川新聞 | 2009年7月5日(日) 00:00
横須賀市長が10日、交代する。吉田雄人新市長は蒲谷市政の施策をどう見直し、「吉田カラー」を出すのか。ハード面で注目されるのが、救急医療センターの扱いだ。現在地での改築となれば移転を予定していた新港埠頭(ふとう)の整備計画全体にも影響を与えるだけに、関係者は出方を見守っている。
市は診療科目の拡充など緊急医療体制を強化するため、2013年度をめどに救急医療センター(三春町)を同市新港町の新港埠頭へ移転する構想がある。指定管理者の市医師会にも移転する方向で説明してきた。
しかし、当選した吉田氏はマニフェスト(政権公約集)でシンボル施策の一つに「救急医療センターの運営改善」を挙げ、現在は午前0時で終わる夜間診療を朝まで延長する。さらに建物の改築や手狭な待合室をリフォームすると約束している。
これに対し、市医師会は田戸台の事務局も併せて新港埠頭への移転を希望している。医師会の幹部は「新しい市長の考えを聞いてみないと分からない」と前置きしつつ、「現在地は手狭で、診療科目を増やすのに無理がある」と説明。夜間診療の延長についても「人員の問題から現状では難しい」と難色を示している。
市は同埠頭の一部(2・6ヘクタール)を利用して交流拠点の整備を目指している。交流拠点用地の南側に位置する「官公庁ゾーン」(約2ヘクタール)には同センターの移転構想のほか、国の6機関が入る「横須賀地方合同庁舎」や横須賀署の移転が見込まれている。同署の移転を検討している県財産管理課は「基本的にはこれまでの流れに沿って検討していくが、救急医療センターが移転しなくなれば交流拠点の整備全体が見直される可能性もある」と市側の対応を注視する構えだ。
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