「逗子聖ヨゼフ病院」の誘致をめぐり、逗子市は30日までに、経営主体の社会福祉法人聖テレジア会が市に求める用地無償提供と救急委託費負担の「確約」に関する文書を提出した。同会は「内容を慎重に判断し、できるだけ早く結論を出したい」としている。
同会が6月末までの回答を求めていたもので、市は6月29日に提出した。同文書について、市は「具体的な内容はノーコメント」としつつ、権限の範囲内での平井竜一市長の決意やこれまでの経過などを盛り込んだことを明らかにした。市議会6月定例会で可決された、病院誘致の実現を求めるとした決議にも触れているとみられる。
市議会は4月の臨時会で「深刻な財政状況から年間1億3千万円の救急委託費は現状では認めがたい」との決議案を可決。これを受け、同会は市の確約がなければ計画を断念し、損害賠償も請求するとの要望書を市長らに提出していた。
神奈川新聞社の取材に対し、同会の澤宏紀副理事長は「これから協議するのでコメントできない。遅くならない程度に市に回答したい」と話し、具体的な回答時期は言及しなかった。
平井市長は6月28日に開かれた市民シンポジウムで、同会が申請手続きをして建築基準法に規定する県知事の許可が下りれば、救急委託費の議案を9月定例会に提出したいとの考えを示している。ただ、逗葉医師会は市が示した逗子聖ヨゼフ病院での1次、2次救急の統合案に反対の姿勢を崩していない。
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