任期満了に伴う横須賀市長選は28日投開票され、無所属新人で元市議の吉田雄人氏(33)が、現職の蒲谷亮一氏(64)、弁護士の呉東正彦氏(49)の2人を破って初当選した。吉田氏は県内の現職首長で最年少、全国の現職市長で3番目に若い。36年間続いた官僚出身の市長に終止符が打たれた。
厳しい状況にある地元経済の活性化のほか、人口減少対策、3100億円に上る市債残高を抱える市財政の再建などが争点になった。激しい選挙戦が繰り広げられ、組織に頼らず草の根選挙を展開した吉田氏が制した。
吉田氏は「チェンジ」を旗印に、市民の声を反映させる市政の実現を訴えた。勝手連的に集まった大勢のボランティアの後押しで政策本位の選挙戦を展開。無党派層を中心に、民主や自民の支持層まで食い込んだ。
全戸配布したマニフェスト(政権公約集)では、目標期間を定めて地域経済活性化や財政再建策などを提示した。蒲谷市政に飽き足らない有権者の受け皿として支持を広げていった。
蒲谷氏は、小泉純一郎元首相や支援する自民、公明、民主など30人を超す市議に加え、県議、連合系民間労組がそれぞれの組織を固める作戦を中心に臨んだ。1期4年の実績に基づく政策実現能力の高さを訴え、支持拡大に努めた。しかし、現状からの変化を訴える吉田氏の勢いを止められなかった。
呉東氏は、反基地や自然保護など各分野で活動している市民が集まった団体が擁立。弁護士活動の経験に基づく経済対策などを訴えたが、出遅れが響いた。
投票率は45・22%(男45・93%、女44・54%)で、前回を5・03ポイント上回った。当日有権者数は34万7763人(男17万2107人、女17万5656人)。
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