厚木市は今月から、厚木歯科医師会と協力し、妊婦が1千円の負担で受けられる妊婦歯科健康診査を始めた。早産の危険を避け、虫歯の母子感染を防ぎ、母子の健康づくりに役立ててもらう狙い。市内の妊婦全員を対象にした補助制度は県内で初めて。
市健康づくり課によると、妊婦は間食の増加や、つわりの影響から歯磨きが不十分になりがちで、ホルモンバランスの変化で歯周病になりやすいという。歯周病などの歯科疾患のある妊婦は早産になりやすいという学説もあることから、市が制度を創設。虫歯の治療や予防にもつなげ、同じ食器の使用などによる母から子への虫歯菌の感染も防ぐ。
母子健康手帳の交付時などに市から配布される受診票を厚木歯科医師会加盟の診療機関(約90カ所)に持参する。
健診では歯と歯茎の診察を行うほか、唾液(だえき)中の細菌数や潜血を調べて虫歯や歯周病の有無を確認。歯磨きの方法などを学ぶ保健指導も行われる。
市から診療機関に支払われる委託費用は妊婦1人当たり6800円。制度を活用できるのは妊娠中に1度で、健診後に任意で行う虫歯や歯周病の治療費は妊婦が負担する。
市健康づくり課は「歯科疾患の早期発見により、より安全で安心な出産を支援したい」としている。
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