キャロライン・ケネディ駐日米大使は27日、都内で講演し、中国が沖縄・尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定したことを「一方的な行動は安全を損ねる。地域の緊張を増加させ、不要な危険を生むだけだ」と、強い表現で批判した。日米協会と在日米国商工会議所の主催による昼食会に併せたもので、公的なスピーチは着任後、初めて。
大使は、近年の日本の対応を「自制的」と評価した上で、「日本が近隣国とコミュニケーションを増やし、課題に慎重に対応することを奨励する。われわれは緊密に日本と協議する」と強調した。
また、「オバマ大統領に日本大使就任を求められ光栄。日本はこの地域で最重要の同盟国だ」と抱負を述べ、フィリピンの台風被害で米軍と自衛隊が協力した支援任務を「日米は地球規模で外交・人道支援のパートナーだ」と称賛した。
27日に参院本会議で成立した国家安全保障会議(日本版NSC)の創設関連法や、参院で審議入りした特定秘密保護法案など、安倍政権の安全保障政策を「支持する」と明言。在日米軍再編や普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題の前進に注力するとした。
環太平洋連携協定(TPP)への日本の交渉参加については「包括的で高水準な協定がさらに強化された」と評価した。
ケネディ氏は50年前に暗殺されたケネディ元大統領の長女で、15日に来日。自身が20歳のときに叔父の故エドワード・ケネディ上院議員と広島を訪れた経験にも触れ、「われわれの父母や祖父母は和解と友好を通して日米同盟を築いた。今度は私たちの番」と話した。
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