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小泉氏「原発ゼロ」発言、政界へ波紋/神奈川

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2013年11月17日(日) 23:24

小泉純一郎元首相の「原発即時ゼロ」発言が政界で波紋を広げている。原発の再稼働を視野に入れる安倍政権に真っ向から政策転換を迫ったからだ。政界引退から4年余り。今も、国民的人気を誇る元首相が投じた“直球”の問いかけに、地元・神奈川の閣僚、自民党議員の反応は静観、懐疑、困惑とさまざま。政権への攻め手を「脱原発」に見いだす野党側は、発言を歓迎し、追い風にしようと躍起だ。

「(脱原発は)自然を資源にする夢のある事業」「安倍首相が原発ゼロと決めれば反対派も反対できない」-。12日、東京・内幸町の日本記者クラブ。身ぶり手ぶりを交え、分かりやすい言い回しで核心を突く「小泉節」は健在だった。

10月以降、脱原発の主張を鮮明にし、横浜などで講演を重ねてきたが、この日は記者の質問にも答えた。「原発ゼロの時期は?」「私は即ゼロがいいと思う」。間髪入れずに言い切った。

◆ ◇ ◆

政府、自民党は今も党内に影響力のある小泉氏の発言の真意を測りかねている。菅義偉官房長官(衆院2区)は会見で、小泉発言への直接的な言及を避け、「政府として責任あるエネルギー政策を推進し、原発依存度はできる限り低減させていく」と説明するにとどめた。一方で「小泉さんは信念に基づいて発言し続けていると思う」と、その胸中を推し量った。

「即ゼロと言われても、再生可能エネルギーの進展や電気料金などを勘案しなければかじは切れない」。小泉旋風で自民党が大勝した2005年の「郵政選挙」で初当選した赤間二郎氏(14区)はこう主張し、続けた。「総裁経験者として、政権運営や党への影響についてもう少し思慮があるべきだ」

この人の思いはさらに複雑だ。小泉進次郎復興政務官(11区)。「(父は)思っていることを言っているだけで、それはそれ。私は今、政府の一員の立場もある」と慎重に言葉を選んだ。ただ、「父」が繰り返し訴える放射性廃棄物の最終処分場確保のめどが立たないことについては、「新たな技術開発を含め考える必要がある。地震列島の日本でフィンランドのように10万年も掘り返すことのできない(埋設処分の)環境は不安だ」と同調した。

◆ ◇ ◆

「抜群の政治センスだ。政局観は衰えていない」。元首相の発言を絶賛するのは、みんなの党の松沢成文氏(参院神奈川選挙区)。民主党衆院議員時代には、超党派の「郵政民営化研究会」を発足させ、小泉会長、松沢事務局長の間柄だった。「あの分かりやすさ、アピール力。野党議員も学ばなくてはいけない」

かつて国会で小泉首相に数々の論戦を挑んだ社民党の福島瑞穂副党首(参院比例)も「今でも小泉構造改革の路線とは相いれないが、脱原発の一点で手をつなぎたい」と話す。「何よりぶれない人。突破力がある」と期待する。

日本維新の会の中田宏氏(衆院比例北陸信越)は「トップの決断が重要という主張はその通りで、人類全体の課題である最終処分場への言及も本質を言い当てている」と分析。

みんなの党の浅尾慶一郎幹事長(4区)は「自民党内で小泉発言に呼応する人がどれだけ出るか。声が大きくなれば自民党だけでなく、(連立政権を組む)公明党も揺れるのではないか」と展望した。

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