自民、民主、公明の3党推薦の候補が無所属の福田紀彦氏に敗れた川崎市長選の結果に、県政界に衝撃が走った。3党幹部らは「与野党相乗り」という“必勝の方程式”が通用しなかった悔しさをにじませた。
自民党県連会長の菅義偉官房長官(衆院2区)は、会見で「残念だ。準備期間が短かった」と語る一方、「国政とはまったく連動してない」と安倍政権への影響を打ち消した。福田市政に対しては「政策を掲げて選挙を戦ったわけで、その政策をどうするか推移を見守っていきたい」とした。
3党相乗りで緩みが出たとの見方も。同党県連幹事長の竹内英明県議は「選挙はみんなが意志を固く持ってやらないといけない。川崎市長選はこうなり、(同日に投開票の)鎌倉市長選は手も出せなかった。しっかり受け止めなければならない」と語った。公明党県本部の上田勇代表(衆院6区)も「推薦した3党で(票を)まとめきれなかった、ということなんだろう」と述べた。
民主党は前回の市長選で福田氏を推薦したが、今回は自公と足並みをそろえた。県連の金子洋一代表(参院神奈川選挙区)は「投票まで1カ月と短く、候補の政策、人柄を有権者にきちんと伝えるだけの時間がなかった」と説明。地元の笠浩史氏(衆院9区)は「3党の協力型でやる選挙は難しかった。最初に出た『大幅リード』という情勢分析で、われわれも含めて緩みが出た」と語った。
一方、鼻息が荒いのは、所属政党が自主投票ながら福田氏を全面支援したみんなの党の松沢成文氏(参院神奈川選挙区)。「僕が都知事選で果たせなかったことをやってくれた」と喜び、「(福田氏は)僕の県知事時代と同じで、議会にいじめられるかもしれない。でも市長の権限は強い。議会が理不尽なことをするようなら、(2015年春の)統一地方選でどんどん対抗馬を立てればいい」と強調した。
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