ビーチの風紀悪化への対策を検討している逗子市の平井竜一市長は10日、来夏から逗子海水浴場での音楽と入れ墨の露出、バーベキュー(BBQ)を全面的に禁止する方針案を表明した。今後の条例改正に向けて、検察庁と協議し違反者への罰則規定も検討する。平井市長は「全国的にも最も厳しい条例になるのでは」と話している。
県や逗子署を交えて同日開かれた「安全で快適な逗子海水浴場を取り戻すための対策協議会」の後、市長が会見した。方針案では、海水浴場の設置者である市が、音楽禁止や海の家の営業時間短縮、水上バイクの進入規制強化など計6項目を対象に盛り込んだ。
海の家の音楽は、ジャンルや音量にかかわらず全面禁止。砂浜でのラジカセ使用なども禁じる。飲酒は海の家での提供は認めるが、それ以外は禁止する。
入れ墨やタトゥーは露出を禁止し、BBQの禁止も通年か海水浴場開設中の限定か検討するという。海の家の営業時間は今夏は午後8時半までとしたが、来夏は2時間早める。
方針案は、12日午後2時から同市役所で開かれる市民との意見交換会「まちづくりトーク」でも公表。議論を踏まえ案を練り直すなどし、11月半ばの住民説明会の後、パブリックコメント(意見募集)を実施。来年2月の市議会定例会に条例改正案を提出する。
同市議会の9月定例会では、海の家で音楽を大音量で流す「クラブ営業」などの全面禁止を求める請願が市民ら約6500人から提出されており、平井市長は「市民の中にも危機感が高まっている」と改正に意欲を示した。
逗子海岸営業協同組合の原敦代表理事は「詳細を市から聞いていないので分からない。市には近く、組合側の考えを伝えたい」と話した。
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