参院選神奈川選挙区の候補者選定などをめぐって深まっていたみんなの党の内部対立が23日、一気に先鋭化した。江田憲司幹事長(衆院8区)が役員会で渡辺喜美代表の党運営全般に問題があると批判したことが契機で再燃した。背景には、政界再編のあり方をめぐる江田、渡辺両氏の考えの違いもあり、民主党や日本維新の会を含めた野党の大型再編の引き金になる可能性もある。
江田氏は役員会で、「ガバナンス、候補擁立過程など党運営のあり方に、党所属国会、地方議員の不満が鬱積(うっせき)している」などと言及。政党助成金など政治資金運用の透明性、野党再編のあり方といった問題も含め、25日開催予定の両院議員総会の議題にするよう主張した。
渡辺氏は神奈川新聞に対し、「政治資金は外部監査を受けるなど透明にやっている。結束しようというときに、公認手続きがなっていないとか、何で議題に載せないといけないのか。(議題には『その他』があるので)言いたいことがあれば言えばいい」。浅尾慶一郎政調会長(衆院4区)も「方向性を決めないまま、こういう問題があると執行部側から参加議員に言うのは無責任ではないか」と批判した。
政界再編の方法論でも隔たりが大きくなっている。
渡辺氏は23日、「みんなの党の理念と政策に賛同してくれる他党の人たちの糾合に取り組んでいく」と述べたが、江田氏は「結党宣言にも政界再編を目指すと書いてある。どこが主導権を握るとか次元の低い話でなく、結党の原点に戻る覚悟でないと、野党再編なんてできやしない。大事なことは次の総選挙で自民に代わり得る受け皿を再編でつくっていくことだ」と主張した。
再編については、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が「維新、みんな、民主という看板はなくさないと駄目」などと野党の結集を呼び掛けている。渡辺氏はかねて橋下氏に否定的。江田氏と橋下氏の発言が連動しているとみていることも、問題を深刻化させている。
衝突を繰り返しながらも決定的な確執には至っていなかった江田、渡辺両氏の対立は、のっぴきならない局面に突入した。
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