改選定数4に11人が立候補した参院神奈川選挙区は、自民党新人の島村大(52)、みんなの党新人の松沢成文(55)、公明党新人の佐々木さやか(32)、民主党現職の牧山弘恵(48)の4氏が当選した。共産党元職の畑野君枝氏(56)は牧山氏を激しく追い上げながらも次点、2期目の当選を目指した日本維新の会現職の水戸将史氏(50)は落選した。島村氏の得票は110万票を超えた。
「自民1強」が際立った一方、候補者を1人に絞りながら辛うじて議席を守った民主は凋落(ちょうらく)傾向が鮮明となった。2人の候補を擁立した2010年参院選の合計得票の3分の1程度に減った結果は、2年後の統一地方選に影を落としそうだ。
自民の島村氏は、国会・地方議員の後援会組織や業界団体を固めた上、高い内閣支持率を受け無党派層にも支持を広げた。小泉内閣発足直後の01年参院選で同党候補が獲得した129万票には届かなかった。
みんなの松沢氏は知事2期の実績を強調し、無党派層を狙った運動が奏功。衆院議員時代に所属した民主支持層の一部も取り込み、国政復帰を果たした。
公明は引退する党副代表の松あきら氏の後継に佐々木氏を擁立し、総力戦を展開。党首級が続々と県内入りし、企業・団体回りにも注力し初当選を果たした。
民主の牧山氏は党に対する逆風から、前回トップ当選の原動力となった無党派層の支持が弱かった。共産の畑野氏に追い上げられ、僅差の薄氷の勝利だった。
畑野氏は、民主や「第三極」に失望した無党派層の取り込みを図ったが、9年ぶりの返り咲きはならなかった。維新の水戸氏は、党組織が脆弱(ぜいじゃく)だった上、橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言などの逆風で伸び悩んだ。
みどりの風新人の露木順一氏(57)と社民党新人の木村栄子氏(65)は広がりがなかった。
神奈川選挙区の投票率は54・47%で3年前の55・56%を1・09ポイント下回った。当日有権者数は736万5069人(男367万9019人、女368万6050人)。
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