4議席を争う激しい戦いを展開した参院選神奈川選挙区。各党の党首は最終日の20日、相次いで県内入りし、有権者の耳に強く残る言葉を織り交ぜ、党の主張を懸命に訴えた。自民党の優勢が報道各社で伝えられる中、連立を組む公明党はバランスよい政権のかじ取り役をアピール。野党の党首は安倍政権の政策を徹底批判した。
公明党の山口那津男代表は応援演説で「政治が真っすぐ進むには公明党が連立与党にいなければならない」と与党内での役割を強調。「自民党は力を増しつつあるが、かじ取りとバランスが取れなければ国民の期待する方向に進むとは限らない。公明党がいてはじめて、かじ取りがうまくいく」と訴えた。
対する野党は政権批判のトーンを強めた。
みんなの党の渡辺喜美代表は横浜駅西口で「筋金入りの改革ができるのはわれわれだけだ」と強調。「アベノミクスでなく、ナベノミクス」と、自らの名前を冠した経済政策を打ち出し、「2本目の矢は公共事業のばらまきでなく、消費増税を凍結し、法人税を引き下げることだ。3本目の矢は電力、農業、医療分野の徹底した規制改革だ」と安倍政権との違いを鮮明にした。
共産党の志位和夫委員長は川崎駅東口で演説し、安倍晋三首相の経済政策に関し、「アベノミクスには国民の所得を増やす矢は1本もない」と痛烈に批判。また消費税増税について、「増税法案を強行採決した自民・公明・民主の『増税3兄弟』に怒りの審判を下し、増税を今からでも中止に追い込もう」と訴えた。
社民党の福島瑞穂党首は横浜駅前の演説で「1%の大企業や富裕層を優遇し、99%の中小企業や国民を切り捨てる安倍政権の『あべこべ政治』にストップをかける大事な選挙」と呼び掛けた。また「9条改悪をストップさせる。私たちは強い国より優しい社会を掲げて戦う」と護憲を訴えた。
自民党は、党三役らは応援に入らず、県内選出の国会議員や地方議員らが街頭に立った。
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