仮面を使った郷土芸能が受け継がれる鎌倉市と韓国安東(アンドン)市が、都市提携することになった。権(クォン)寧世(ヨンセ)市長が23日、鎌倉市役所を訪れて調印する。
鎌倉市は御霊神社(同市坂ノ下)に「面掛(めんかけ)行列」が、安東市は「仮面劇」が伝わる。互いに奇怪な面をかぶり、福を招く催事だ。
安東市は慶尚北道の古都。約300点の無形・有形文化財を誇り、「屋根のない博物館都市」と呼ばれている。2010年に世界文化遺産に登録された。
こうした歴史都市としての魅力のほか、約17万の人口規模に共通点があり、鎌倉市民が04年、市に姉妹都市提携を提案していた。
08年に面掛行列の一団が仮面劇のフェスティバルに招かれたり、09年に仮面劇の保存会が鎌倉のパレードに参加したりしている。同年に両市で市民友好団体が設立された。
都市提携の制度として、鎌倉市は11年に創設したパートナーシティーを活用する。行政主体の姉妹都市と異なり、市民間交流を促す制度で、初めての提携先となる。権市長とともに安東市民約30人が23日、鎌倉を訪れ、「鎌倉安東友好交流会」(山ノ井和郎代表)と触れ合う予定。同日から28日まで、鎌倉生涯学習センター(同市小町)で提携記念の交流展も企画されている。
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