参院選が公示された4日、激戦必至の神奈川選挙区には応援弁士として与野党の党首ら大物議員が続々と入った。争点となっている安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非を軸に、横浜駅西口などで与野党が熱い“舌戦”を展開した。
自民党と連立政権を組む公明党の山口那津男代表は、大半を経済政策の時間に費やした。
アベノミクスについて「大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略で日本の経済成長率はマイナスからプラスになった」と成果を強調。「これから家庭に実感できる景気対策を届けていかねばならない。ねじれの解消を」と訴えた。
対する野党は、アベノミクス批判を展開した。
盛り上がりを見せたのは、6月の都議選で大幅に議席を伸ばし勢いに乗る共産党。小池晃副委員長は「アベノミクスによって景気回復の実感はほとんどない。庶民から金を奪って富裕層や大企業にばらまくだけの古い政治の焼き直しにすぎない」と痛烈に批判した。横浜駅西口を埋め尽くした聴衆の数は、党発表によると2800人。「今、新しい政治の担い手として共産党への期待と注目が広がっている」と続けた。
民主党の長妻昭元厚生労働相は「安倍政権は強い人たちを引っ張り上げて全体を上げていこうという政策。自公の目指す社会が本当に良いのか」と疑問を提起。
みんなの党の浅尾慶一郎政調会長(衆院4区)は「特定の組織、団体のための政治をやっていては日本は変われない」と訴えた。
「強者の政治」や原発政策に批判を向ける党も。社民党の福島瑞穂党首(参院比例)は「軍事大国、原発推進・再稼働といった強い国ではなく、安心して子どもを産み育てられる優しい社会をつくる」と主張。
みどりの風の阿部知子代表代行(衆院比例南関東)は「日本中で東日本大震災や原発の被害が忘れ去られようとしている」と指摘し、避難生活が続く福島で生活がままならない被災者の状況に触れ、弱者に目を向ける政治の必要性を訴えた。
党内対立が表面化した日本維新の会は、平沼赳夫国会議員団代表が「石原さんと橋下さんは互いに言いたいことをぶつけ切磋琢磨(せっさたくま)している」と党内の一体感をアピールした。
自民党は、近々安倍晋三首相が県内入りするよう県連が党本部に要請している。
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