
任期満了に伴い30日に投開票される横須賀市長選の選挙戦は最終盤に入った。立候補している3氏は有権者に向けて、自らの政策や経歴などを必死でアピールしている。勝敗にも影響を及ぼしそうな投票率も注目点だ。
現職で再選を目指す吉田雄人氏(37)は、自転車をこいで市域をくまなく回り、スローガンとして掲げる「選ばれる街」への支持を訴えている。
駅頭での演説や夜の集会では、加藤憲一・小田原市長や樋渡啓祐・佐賀県武雄市長など、交流のある県内外の若手首長らが応援に立つ。
元市民団体代表の岸牧子氏(56)は、脱原発や原子力空母の母港化撤回、育児支援の充実などで「子育てするなら横須賀」の実現を主張している。
支持層の母親グループなどとともに、合唱を交えた演説や浴衣姿での商店街練り歩きなど、知名度向上への戦術でも差別化を図る。
前副市長の広川聡美氏(61)は、夜に各地で個人演説会を重ね、実務経験を強調し「国や県との関係強化」を訴えている。
選対本部長の小泉進次郎衆院議員が密着するほか、推薦する自民、公明両党の県議や市議らも演説や駅頭立ちを支える組織戦を展開し、拡大を図る。
告示翌日の24日から開始した期日前投票の出足は好調だ。4日目となった27日現在の期日前投票者数は1万9401人で、2009年の前回市長選の4日目の記録1万1587人から67%増えている。
ただ、若年層をはじめとする人口の減少や高齢化の進展、地域経済の停滞など街の課題に対する認識は各候補で共通点が多く、有権者の関心をつかむことも課題となっている。05年の市長選で40・19%、09年に45・22%と推移してきた投票率も注目される。
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