反対陳情3件を不採択 武蔵小杉マンション建設計画/川崎市
政治・行政 | 神奈川新聞 | 2013年6月17日(月) 23:01
川崎市中原区の武蔵小杉駅近くで進む高層マンション建設計画に対し周辺住民から大規模な反対運動が起きている問題で、市議会まちづくり委員会は17日、計画の見直しを求める住民の陳情3件をいずれも賛成少数で不採択とした。
大手企業の社宅跡約1万7千平方メートルに、民間事業者が高さ約180メートルのマンション2棟を建設する計画。敷地の3分の2は20メートルの高さ制限がある「第1種住居地域」だが、市は都市計画法に基づき高さ制限を180メートルに緩和するなどした。
陳情では、中低層の住宅街で浮上した計画に強く反発。日影やビル風などを指摘しながら、「周辺環境を著しく破壊し、住民に種々の被害をもたらすことが明白」などとして、計画の見直しを求めている。
委員会では、共産党の委員が「こういったまちづくりの手法は将来に禍根を残す。見直すべき」などとして、採択を主張。しかし他会派の委員は、緩衝空地の提供などを受けて土地の計画的高度利用を図るとする市側の説明に理解を示し、不採択となった。
建設計画は2007年ごろ浮上。高さ制限の緩和などを盛り込んだ都市計画案に対し、周辺住民らは3万9千通超の意見書を提出。99%近くが反対意見だったが、市都市計画審議会はことし3月計画案を阿部孝夫市長に原案通り答申した。市によると、事業者側は社宅を解体した後の今秋以降にも着工する意向を示しているという。
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