全国で重い副作用も報告されている子宮頸(けい)がん予防ワクチンについて、海老名市は12日、2010年度から行った接種事業でこれまでに2件の副作用の報告があったと明かした。ともに軽症で、翌日までに回復したとしている。
同日の市議会本会議で、永井浩介氏(志政会)の一般質問に答えた。
子宮頸がん予防ワクチンの接種事業は10年11月から国の緊急促進事業として実施され、同市では11年2月から開始された。ことし4月には国が接種を勧奨する定期接種に加えられたが、一部で意識障害や手足のまひなどの副作用が報告され、6月には文部科学省が全国の中学、高校などに接種に関連した欠席状況調査を依頼している。
市の答弁によると、ことし3月末までに延べ7714人が接種。うち、接種医療機関からの副作用の報告は2件で、冷や汗や脱力、気分不良、顔面蒼白(そうはく)などの軽い症状で、ともに翌日までに回復したという。
内野優市長は「厚生労働省は現状は接種を中止するほどの措置は必要ないとの評価のため、国の動向を注視しながら事業を実施する」と述べた。また、県市長会の会長として「まず市内の副反応の実態を把握して各市の状況も聞き、問題があれば市長会の議題として協議、国に要望する」との方針を示した。
接種でなく検診の推進を訴える永井氏は、副作用の幅広い情報提供や検診体制の充実などを国に求める意見書を提案する方針。
大和市議会では、接種の一時中止を求める市民からの請願書を常任委員会で採択している。
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