
災害時に難病患者が自分の疾患や病状を伝えられるよう支援する携帯用手帳が完成し、県秦野保健福祉事務所が配布している。疾患別に68種類あり、避難所で運営担当者らに提示し、適切な支援やケアを受けられるようにする。
災害時携帯手帳(A6判)は、難病のうち厚生労働省が定める疾患(特定疾患)別に56疾患68種類を用意。ベーチェット病や多発性硬化症、重症筋無力症などの特徴や療養上の注意点を記載し、患者の避難生活に必要な配慮や対応をコンパクトにまとめている。
例えば、パーキンソン病患者のための手帳には、手足が震えるといった主な症状のほか、災害時に想定される状況として「薬がないと動けなくなるので、数日分、携帯しておくことが必要」「ストレスで症状が悪化し、自分が思うより動けなくなる可能性がある」などと記している。
このほか、介護が必要な患者向けに療養情報手帳を作製。かかりつけ医や普段利用している介護事業所などを記入できるようにしている。
担当者は「東日本大震災での教訓を基に作った。避難生活の不安を和らげることにつながれば」と話している。
災害時携帯手帳は、管内の秦野、伊勢原両市在住の対象者約1500人に配布。療養情報手帳は介護支援専門員などを通じて配布している。また、どちらも県のホームページからダウンロードできる。問い合わせは同事務所電話0463(82)1428。
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