
衆院選挙区画定審議会(区割り審)が、座間市(13区)の一部地域を16区に編入する方向で最終調整していることを巡り、同市の遠藤三紀夫市長は17日に会見し、「寝耳に水で受け入れ難い。言語道断」などと猛反発した。市民や行政に多大な影響を与え混乱が生じるとし、政府に対し市町村を分割しないよう求める要請書を提出した。
市によると、4日に総務省から県を通して依頼があった区割り改定案に関連した地名リストを市選挙管理委員会が確認したところ、「相模が丘1~6丁目」が含まれていないことが判明。6日に同省に確認すると、「16区の一部とする」との説明があったという。
遠藤市長は、区割り審が示した「原則として市町村の区域は分割しない」とする方針に反している点を問題視した上で、「生活に根差した課題を共通の土俵で考えられなくなる部分が出てくることは、市政運営の阻害要因」と批判。県が昨秋示した提案について「県全体の考え方が集約され、尊重されるべきだが無視されている」と憤り、地域コミュニティーの分断や選挙事務の煩雑化などを懸念した。
市は昨年10月、県に対し「他の選挙区との調整が必要なら、市域全体での編入」を望むとする市長意見を提出。同12月の同省からのヒアリングには、1948年に座間町(当時)が相模原町(同)から分立した歴史的経緯に触れ、座間市の一部と相模原市が同じ選挙区になることは住民感情が許さないと答えていた。