
連合系の「第84回かながわ中央メーデー」が27日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区の臨港パークで開かれ、約9300人(主催者発表)が参加した。長引くデフレ経済や不安定雇用の増大などを課題に挙げ、「私たちは『人への投資』を経営に求め、適正な成果配分を追求する。ゆとりと豊かさを実感できる持続可能な社会を実現しよう」などとする宣言を採択した。
主催者としてあいさつをした連合神奈川の野村芳広会長は、安倍政権が進める「アベノミクス」について「行き過ぎた円高と株安の是正は、企業にとってバランスシートの改善とともに製品の競争力向上につながる。素直に好感を持って受け止めたい」と一定の評価をする考えを示した。
一方、財政・金融政策を「経済再生に向けての抜本策ではなく、一過性のカンフル剤」と指摘。「新たな雇用創出を伴う成長戦略と合わせ、労働条件の底上げなどにより消費を刺激し内需と設備投資の拡大につなげるべきだ」と求めた。
◆
民主党を基軸に支援する県内最大の労働団体「連合神奈川」(野村芳広会長)が27日に開催したメーデーは、3カ月後に迫った夏の参院選を意識した発言が相次いだ。来賓として壇上に上がった県内選出国会議員らは、約9300人(主催者発表)の参加者に向けて声を張り上げた。
来賓の国会議員の中で最初に紹介されたのは、民主党県連代表の金子洋一参院議員(神奈川選挙区)。金子氏は自民党政権を「解雇の自由化が議論され、TPP(環太平洋連携協定)交渉では自動車、保険分野で米国に一方的譲歩している」などと批判し、「働く者の立場で既得権益と闘う政党がどうしても必要」と訴えた。
金子氏はまた、参院選立候補予定者の中で唯一招待された牧山弘恵参院議員(同)を紹介する“ハプニング”を起こし、マイクを受け取った牧山氏は「全力でがんばります」と力を込めた。
次に紹介された社民党県連合代表代行の金子豊貴男相模原市議は「労働者と労働者が連帯してもっと平和を築きたい。社民党の力は非常に小さくなっているが、皆さんと一緒に闘っていきたい」と呼び掛け、立候補予定者の木村栄子氏の名前を挙げながら議席確保に向けた決意を述べた。
最後にあいさつした公明党県本部代表の上田勇衆院議員(6区)は、「持続可能な社会保障制度を構築することが、今の政治に課せられた大きな責任。対立よりも協調の精神で全力を尽くす」と述べた。
【】