県は23日、国から指定された「さがみロボット産業特区」にある厚木市内の2病院で、リハビリ用に開発されたロボットを導入することを明らかにした。実際の医療現場でロボットの活用事例を積み上げ、医療機器としての承認申請を後押ししたい考えだ。
同市七沢の神奈川リハビリテーション病院と七沢リハビリテーション病院脳血管センターで、ベンチャー企業サイバーダイン(茨城県つくば市)が製作した「ロボットスーツHAL(ハル)」を使う。筋肉を動かそうとする際に発生する微弱電流を読み取り、歩行や立ったり座ったりする動作を補助する仕組みで、歩行リハビリ用に開発された。
県は、病院を運営する県総合リハビリテーション事業団と協定を結び、ロボットスーツ計4台のリース代(1カ月40万円)などを負担する。6月から2台ずつ導入され、患者は自己負担なしで利用できる。協定は来年3月末までで、効果などを勘案しながら更新するかを判断するという。
ロボット特区は、成長産業として見込まれる生活支援ロボットの開発・普及を軸に地域の活性化を目指すもの。今回の協定は取り組みの第1弾で、県は「介護・医療分野でのロボットの円滑な導入に役立てたい」と話している。
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