横浜市が現在管理する唯一の廃棄物最終処理場「南本牧第2ブロック最終処分場」(中区南本牧)が、新たな最終処分場が供用される2017年度より前の15年度後半にも満杯となる見通しであることが分かった。市によると、このままでは1年半から2年間ほどごみの行き場がなくなり、その間に発生する埋め立て廃棄物量は二十数万立方メートルになるという。市は13年度、一般廃棄物の焼却灰の資源化に向け溶融炉の再稼働準備を進めるほか、埋め立て廃棄物の高密度化の実証実験を始めるなど、新たな延命化策に着手する。
南本牧第2ブロック最終処分場の埋め立てが始まったのは1993年。埋め立て容積は約427万立方メートルで、おおむね10年間で埋め立て終了の予定だったが、G30などのごみ削減策で延命化が図られてきた。11年に神明台処分場(泉区池の谷)の埋め立てが終わり、現在、市内で唯一の最終処分場となっている。
市は、南本牧第2ブロック近くの第5ブロックに、次の最終処分場(計画受け入れ量約400万立方メートル)を整備している。
第5ブロックについて14年度の供用開始を予定していたが、焼却灰の資源化などで第2ブロックの埋め立て終了が17年度まで延ばせると見込まれたため、市は11年、第5ブロックの供用開始を17年度まで先送りすることにした。
しかし、市資源循環局によると、第5ブロックの供用開始の先送りが決定された一方で、財政難の中、焼却灰の資源化への予算がつけられない状況が10年度から3年続いた。そのため、焼却灰の資源化が中断され、埋め立ての進行が早まったという。
年によって幅があるが、平均すると年間に約14万立方メートルが埋め立てられている。12年3月末の残余量は約61万立方メートルで、同局は現状のままでは、15年度後半にも満杯になると推計。
焼却灰の資源化を復活させるため、稼働を休止していた金沢焼却工場の溶融炉の再稼働準備を始めることにした。
また、第2ブロックの埋め立て容量確保のため、ドリル状の掘削機を使った高密度化の実証実験を行う。同局によると、内陸部の最終処分場での高密度化の事例はあるが、南本牧のような海面処分場で高密度化の例はないという。
同局の山内泉処分地管理課長は「焼却灰のリサイクルも積極的に進め、高密度化を含め、効率的、効果的な方法を選んでいきたい。17年度までの延命を確実に図っていく」としている。
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