江戸時代に農業用水として川崎市内に整備された二ケ領用水の総合基本計画が改定された。ハード整備中心だった前計画に対し、市民との協働の視点を加えた点がポイント。官民一体で整備・利活用を図り、川崎の宝として後世に伝承していく。24日には、改定内容の報告を兼ねたシンポジウムをエポックなかはら(中原区)で開催する。
多摩川と並行する形で整備された二ケ領用水は1611年に竣工。治水・利水機能の向上に重要な役割を果たし、現在の川崎市の骨格を形成することにもつながった。
2011年には竣工400年を迎え、市は従来の基本計画の改定に着手。1993年策定の従来計画は約20年が経過し、時代に即した見直しが必要だった。
改定作業は、市民団体による「市民会議」と、学識経験者らによる「検討委員会」の両者で行ってきた。周辺環境の変化や川づくりに対する市民意識の向上など、社会情勢の変化に伴う各種要素を加味。今後は市民との協働を柱に据え、保存・利活用を図る方針を明確に打ち出した。
また、課題整理や計画の進捗管理を目的とする「同計画推進会議」を13年度、学識経験者・市民・行政の代表者で発足させる方針も盛り込んだ。
シンポジウムは「水文化都市川崎の創造」と題して開催。検討委員会委員長で関東学院大名誉教授の宮村忠さんの講演をはじめ、基本計画改定に携わったメンバーによるパネルディスカッション、地域史研究家・長島保さんの特別講演、落語「二ケ領用水物語」の上演が予定されている。
入場無料。申し込み不要。午後1時から。問い合わせは、市建設緑政局企画課電話044(200)2706。
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