
いつ起きるか分からない災害に備え、地域や行政の災害対策について理解を深めてもらおうと、防災講演会が9日、秦野市平沢の市文化会館で開かれ、約510人が参加した。
同市と市防火・危険物安全協会、市内の防災ボランティアグループ「なでしこ防災ネット」の主催。
講演会では、独自の炊き出し訓練を行うなど地域の連携を深めている沼代地区自治会連合会が活動内容を発表。仮設トイレの設営や空き缶を使った炊き出し、ハンガーを変形させてフライパンにする方法などを説明した。発表者は「有事の際、あれがないから、これがないからできないと言わず、その場にある物で立ち向かっていくことが大事」と強調した。
続いて県災害対策課の金井信高課長が「県の地震災害対策」と題して講演。これまで起きた大規模地震による被害の特徴、周辺の活断層、富士山の噴火災害などを解説した。
阪神淡路大震災では近隣住民らが救出した人の数が、消防や警察、自衛隊の3倍以上だったというデータを示し「近所の助け合いがどれだけ大事かということだ」と説明。自身の安全を守る「自助」とともに、連携・協力して助け合う「共助」の重要性を訴えた。
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