京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の殿町3丁目地区(川崎市川崎区)の新拠点として、産官学連携でがんなど難治性疾患の治療法開発を進める「ものづくりナノ医療イノベーションセンター」(仮称)の整備事業が7日、国に採択された。2013年度中の完成を目指す。複数のプロジェクトを立ち上げ、革新的な医薬品、医療機器の開発に取り組む。
川崎市が約8千平方メートルの敷地(都市再生機構所有)を取得し、事業主体となる川崎市産業振興財団に有償で貸し付ける。センターは地上4階建て、延べ床面積1万1880平方メートルを予定しており、東京大学、東京女子医科大学、東京工業大学、国立がん研究センター、富士フイルムなど大学や研究機関、企業がプロジェクトごとにチームをつくり入居する。主要事業の一つが、ナノテクノロジー(超微細技術)と大学の最新の研究成果を融合したナノ医薬品の開発。
事業化に当たっては、新薬の費用対効果(医療経済性)を評価。実験動物中央研究所や国立医薬品食品衛生研究所(国立衛研)など特区内の研究機関、企業とも連携し、プロジェクトごとにベンチャー企業を立ち上げ、特区が掲げるライフサイエンスの産業化を先導する。
中心となる東大の片岡一則教授は「センターが研究ネットワークのハブ機能を果たし、拡大する医療ニーズに応えられる均質で高付加価値な製品を世界に発信したい」とコメントした。
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