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簡易宿泊所の“貧困ビジネス”に歯止め、生活保護支給基準見直しへ/川崎

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2013年3月7日(木) 16:20

川崎区堀之内町で計画されている簡易宿泊所の建設予定地
川崎区堀之内町で計画されている簡易宿泊所の建設予定地

生活保護受給者を当て込んだ簡易宿泊所建設に歯止めをかけるため、川崎市は、簡易宿泊所を居住地とする受給者への支給基準を見直す方針を固めた。住宅扶助費の上限を減額するもので、今後新設される簡易宿泊所が対象。既存施設の滞在者は除く。施設運営者が徴収できる「うまみ」を少なくすることで、“貧困ビジネス”の抑止につなげたい考えだ。

6日の市議会予算審査特別委員会で岩隈千尋氏(民主)の質問に答えた。

生活保護法では住宅扶助基準を設けており、月額の上限は単身世帯者や第2種社会福祉事業宿泊所(路上生活者や生活困難者のための宿泊所)利用者の場合は5万3700円。しかし簡易宿泊所滞在者は6万9800円で、1万6100円の差があった。

差額の理由は、簡易宿泊所滞在者を対象に設定されてきた「特別基準額」。単身者上限の1・3倍まで支給額の上乗せが認められた。今後は、特別基準額の適用を見送り単身者と上限を統一する。

特別基準額は、一般賃貸住宅の賃料が高騰したバブル経済絶頂期に導入。1泊2千円程度かかる簡易宿泊所にやむなく滞在した人の救済的意味合いがあり、川崎市のほか、東京都や横浜市も適用してきた。

予算委で木村実健康福祉局長は「現在は単身者の上限内で借りられる賃貸住宅も多い。今後新たに建設される簡易宿泊所への滞在者には、特別基準額を設定しない」と説明した。さらに既存施設の滞在者についても、「簡易宿泊所は安定した住居とは言いがたい。意向を調査し、可能な人には福祉事務所で賃貸住宅への転居指導を行っていく」とした。

川崎市内では、川崎区堀之内町の簡易宿泊所の建設計画をめぐり、地元住民と事業者の対立が表面化。住民側は「貧困ビジネスのための施設」「治安や環境面での影響が多大」などと反発し、市議会に建設中止を求める請願を提出した。

請願は昨年5月、市議会健康福祉委員会で趣旨採択された。同委員会では市側も「事業者が参入する動機になりそうなものに住宅費の問題がある」と指摘し、見直しの可能性に言及していた。

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