川崎市は2013年度から、幸区役所の新庁舎建設工事に着手する。完成は14年12月の予定。市内の区役所では初めて免震構造を取り入れるほか、太陽光発電設備なども導入する。より安全でエコな区役所となり、市は「これからの庁舎のモデルとしていきたい」としている。
現庁舎は築38年が経過。市内の区役所で一番古く老朽化が目立っていた。06年の耐震診断では、震度6強で倒壊の危険性が高いと判定。翌年度に緊急補強工事を行ったものの、抜本的な対策が必要だった。
新庁舎は現在の駐車場用地に建設される。鉄筋コンクリート造4階建てで、延べ床面積は約8800平方メートル。総工費には約32億円を見込んでいる。
耐震性の大幅な向上と、地球環境に配慮した造りが大きな特徴。7区役所最大の出力を誇る太陽光発電パネルと蓄電池を設置する。空調システムで地熱利用を進め、冷暖房の省エネ化も図る。自然採光と自然換気の能力向上のため、設計にも気を配った。
市は、開会中の市議会第1回定例会に庁舎本体の工事請負契約に関する議案を提出。可決されれば、13年度中に着工する。
新庁舎完成後、現庁舎は解体され、跡地に駐車場と多目的広場を整備する。建設工事期間中は敷地内に仮設駐車場も設けるが、駐車台数はスペースの関係で従来比30台減の42台となる。
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