放置自転車対策が懸案となっているJR武蔵中原駅(川崎市中原区)前の歩道上に、駐輪場が新設されることが決まった。民間の事業者が市から道路占用許可を取得して開設。道路占用の手法を活用した駐輪場整備は市内2例目となる。市は今後も、官民連携の駐輪場整備を進めていく構えだ。
開設場所は、JR南武線と並行する同駅北側の歩道上。長さ約90メートル、幅は最大で15メートルほどのエリアに244台を収容する。
無人の駐輪場で、機械で精算して利用する方式。最初の90分は無料だが、以後2時間ごとに100円の利用料を徴収する。今月中旬から駐輪機器の設置工事に着手し、2月8日の供用開始を予定している。
同駅周辺は長年、放置自転車に悩まされてきた。昨年6月の市の調査では、休日正午の放置自転車は214台、平日午後4時台は174台に上った。特に朝方より昼間に増える傾向にあり、市自転車対策室は「買い物客による短時間の放置が目立っている」と分析している。
こうした状況の改善を目指し、駐輪場の整備を提案したのが、「川崎市交通安全協会・NCD共同企業体(JV)」だった。同JVは、中原以北の5区内にある市営駐輪場全96施設の指定管理者。今月7日に市から道路占用許可を取得した。開設費用は同JV側が負担するという。
道路占用による駐輪場整備は2012年1月の幸区内の事例に続いて2例目。▽歩行者の動線が確保できる幅員の広い歩道でないと不可能▽指定管理者など公的性格の強い事業者でないと占用許可が下りない-などの課題はあるものの、土地を用意する必要がないため比較的安価で済み、民間も参入しやすいなどの利点があるという。
11年2月に市が策定した「駐輪場利用促進プラン」の中でも、公民連携による駐輪場整備は盛り込まれており、同室は「民間の手法を取り入れる上で、道路占用は一つの有効な手段。今後もできるだけ活用して放置自転車の削減を図りたい」としている。
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