大井町が町おこしに向けて開発を進めていた地場産スイーツが完成した。ブルーベリーやゴボウに加え、“幻の果樹”とされるフェイジョアなど、地元で採れた農産物を使って和洋の菓子職人5人が12品を創作。それぞれの店舗でのみ販売しており、新名物にと関係者は期待を掛ける。
果樹や農作物栽培が盛んな同町相和地区は、冷涼な地方で作られるリンゴも、産地が温暖なミカンも生産でき、「育たないものがない」といわれる。そうした特性を生かす町の委託事業として、夏目琢也さん(42)、横山文男さん(60)、瀬戸和浩さん(38)、宇佐美洋志さん(56)、深瀬恵一さん(34)の5人が試作を重ねてきた。
2日に農業体験施設「四季の里」(同町柳)で開かれた発表会では、それぞれが自作のスイーツを持って登場。日ごろの菓子作りの技術に地元の素材を組み合わせ、フェイジョアをジャムにしたケーキ、ブルーベリーのパイ、サツマイモのドーナツなど12品を披露した。
目玉の一つとして紹介されたフェイジョアは、南米原産の植物。ミカンの代替として大井町で1960年代から栽培が始まったものの、販路が少なかったことなどから徐々に生産量が減少。キウイなどに取って代わられ、現在は一部が直売所に出回るのみだが、今回光が当てられた。
間宮恒行町長は「苦心を重ねて仕上げてもらい、感謝している。おいしくいただいた」と出来栄えに満足そう。宇佐見さんは「試食した人の評判は上々。町に定着させるため、皆さんに後押ししてほしい」とPRしていた。
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