民主党代表選と自民党総裁選が佳境に入っている。ともに一般党員などにも投票権はあるが、大票田のはずの神奈川では演説会が行われない。第三極の台頭をにらんで二大政党の存在感をアピールする格好の機会でもあるだけに、両党の県連関係者からはぼやきも出る。
一足早くスタートした民主党代表選(21日投開票)はすでに終盤戦。4人が立候補しているが、野田佳彦首相の再選が確実視されているため、ただでさえ盛り上がりはいまひとつ。
県内には党員・サポーターが1万7392人いる。東京都(2万6120人)に次ぐ人数だが、県内で演説会は行われないまま投票はすでに締め切られた。
県連の幹部は「現役首相の地方遊説は難しいのでは」と理解を示しつつ、「支持率が低迷しているときに政策をアピールできるチャンスだったのに」と残念そう。
一方、自民党総裁選(26日投開票)は混戦状態。前回衆院選の大敗で国会議員が減ったため党員票の比重は大きくなった。国会議員199票に対し党員などは300票ある。
このうち神奈川は過去最多の10票が配分され、こちらも東京(16票)に次ぐ大票田。演説会は北海道から沖縄まで過去最多の19カ所で計画されたが、県内は素通りしてしまう。
河野太郎氏(神奈川15区)が谷垣禎一氏らと争った10年は横浜駅西口で街頭演説会が行われた。麻生太郎氏が勝った09年も最後の訴えの場所が横浜だった。
自民党にとっては政権奪還を狙う総裁選でもある。県連幹部は「次期首相になる人を決めようという選挙なのに、寂しいよな」と機運の盛り上がりに気をもんでいる。
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