JR東海は30日、リニア中央新幹線の梶ケ谷非常口(川崎市宮前区梶ケ谷)を新設する工事の安全祈願・起工式を、梶ケ谷貨物ターミナル駅に隣接する建設地で開いた。出席した関係者約80人を前に、黒岩祐治知事は「夢のリニアがいよいよ現実のものになった。事業用地確保に全面的に協力する」と述べた。
同非常口は、リニア運行中の事故や火災に備え、大深度地下から避難するための施設。直径約50メートル、深さ約80メートルの立て坑でエレベーターや階段、換気装置などを設ける。敷地内には資材搬入口も整備する。完成予定は2020年7月。
同社によると、同非常口工事で約29万立方メートルの発生土があり、ダンプカーや鉄道貨物で搬出する予定。起工式でJR東海の柘植康英社長は「発生土はできる限り貨物鉄道で臨海部へ運び、環境への影響を小さくしたい」と強調した。
同新幹線の川崎市内の路線延長は大深度トンネル16・3キロで非常口5カ所を計画。県内(39・4キロ)で工事契約が完了しているのは梶ケ谷と東百合丘(同市麻生区)の非常口2カ所。
起工式には福田紀彦川崎市長、地元選出の国会議員、市議のほか、国土交通省や共同企業体(JV)の関係者らも出席した。