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風水害への備え充実へ、南足柄市と足柄5町で対策見直し進む/神奈川

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2012年6月27日(水) 12:09

南足柄市と足柄上郡5町で、地域防災計画や災害対策の見直しが進んでいる。各市町とも、近年相次ぐ水害や土砂災害を教訓に、台風や集中豪雨への備えを充実させる方向。東日本大震災で浮かび上がった課題を地域に引きつける形で、地震対策も再検討している。

1市5町は内陸に位置するため、津波の浸水被害は想定されていないが、JR御殿場線に沿って延びる神縄・国府津―松田断層帯の地震で大きな被害が出る可能性が高い。また、風水害には毎年のように見舞われており、一層の被害軽減策が求められている。

今月19日から20日にかけての台風4号では、山北町の丹沢湖で雨量が239・5ミリに達するなど県西部で激しい雨が降り、松田町は土砂崩れで国道246号が通行止めになったほか、寄地区の一部で断水した世帯もあった。「以前と比べ、水害のリスクは高まっている」(南足柄市)と受け止め、水害対策の充実を目指す自治体が多い。

中山間地を抱える自治体では孤立に対する不安もある。共和、三保の両地区などへ向かう道路が寸断されると、必要な物資の搬入や負傷者の搬送ができない恐れが高まることから、山北町は高齢者ら要援護者の支援策を検討。「今回の台風でも水を運べないというケースがあった。水の備蓄やヘリコプターの発着場所を確保するなどの対策が必要」(松田町)と課題を指摘する声も出ている。

酒匂川の増水による浸水被害が懸念される開成町は今年3月、町ぐるみで浸水対応訓練を実施。「これまでは広域避難場所に避難するとしていたが、高い所へ逃げる方が安全。暴風雨の中を外へ出るよりは、自宅の2階に逃げた方がいい」として、浮かんだ課題を修正する防災計画に盛り込む考えだ。

地震対策の見直しは、桜の植栽活動への支援などを通じて岩手県陸前高田市との結びつきを強めている松田町が力を入れている。教育、建設、福祉の各分野で人材を派遣し、子どもの避難誘導や避難所の開設などを学んでいる。島村俊介町長は「被災地でどのように対応したのかを参考にし、計画に反映させたい」と話している。

中井町も、国府津―松田断層が地震を起こした場合に強い揺れが予想されるとして、備えの充実を目指している。

地域防災計画の修正作業は県計画の見直しを受けたもので、各自治体は本年度末までに終える方針。大井町は自治会長の会議などで意見を集約しており、「独自に安否確認方法を決めている自治会があり、参考になった。町全体に広げたい」としている。

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