厚木市立病院は1日、2011年度の決算見込みを発表した。それによると、収支差し引きはプラス392万円と、5年ぶりの黒字となった。杉田則夫病院事業局長は「手術件数の増加などで収益が増えた」などと要因を説明している。
11年度の決算見込みは、厚木市からの負担金が約12億8600万円と、10年度よりも約4千万円減ったにもかかわらず、事業収益が約71億9300万円(前年度比約2億1800万円増)、事業費用が約71億8900万円(同約3600万円増)で、差し引き392万円のプラス。
収入では、救急患者の受け入れや手術件数の増加、高度な治療をするハイケアユニット(HCU)の開設などで入院・外来収益が約56億9700万円(同約2億4700万円増)と過去最高を記録した。
手術の増加やHCUなど高度医療を施す機会が増えたことで、患者1人当たりの入院単価も4万5749円(同2826円増)と上がった。
費用(支出)では、常勤医師が3人、看護師も7人増えるなどしたため給与費が約40億7千万円(同約1億4900万円増)となったが、薬品のジェネリック化や一括購入などで薬品費を約7億5500万円(同約1800万円減)とした。
同病院は03年度に県から市に移管され、07年度に初の赤字に転落してから4年連続赤字となっていた。ことし8月には新病院への建て替え工事が始まるだけに、杉田病院事業局長は「新病院に向けて(建設費用の)返済などは大丈夫かと心配されるが、市民にも経営が安定していると証明できた」と胸をなで下ろした。しかし、12年度については、市の負担金がさらに約9900万円減額されることから「赤字予算を組まざるを得ない」と話している。
新病院は14年度に機能の7割が先行オープン、16年度に全面オープンとなる。
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