横浜市中区の南本牧廃棄物最終処分場で、水処理の際に放射性物質を吸着するゼオライトの使用について、昨年10月から1カ月間で止めていたことが6日、分かった。市会予算特別委員会で井上さくら氏(無所属)が取り上げ、「使い続けていると理解していた。なぜ説明しなかったのか」と市の対応を批判した。
市資源循環局の大熊洋二局長は、処分場の流入水と放流水の放射線濃度が昨年6月以降、「放射性セシウムが不検出」であると説明。「ゼオライトの吸着能力確認のため実験使用した。能力が確認できたので止めたが必要となれば使える」と答えた。
井上氏は、1カ月間でゼオライト1キログラム当たり5千ベクレルの放射性セシウムが検出されていた実験結果を指摘。「不検出といっても検出下限(10ベクレル)以下というだけで、大量のセシウムがゼオライトに吸着されている。ゼオライトを使わなければ1日100万ベクレルが海に流れている計算。すぐに使用を再開するべき」と述べた。
大熊局長は「国の基準値(1リットル当たり60~90ベクレル)を超えないための対策で、今は大幅に下回っている」と述べ、基準値を超えない限り、使用しない考えを示した。ゼオライトのコストについて「入れ替え費用を含め、二つで120万円」と説明した。
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