
安倍晋三首相(自民党総裁)と民進党の枝野幸男幹事長は27日、それぞれの党公認や推薦の候補者の応援演説のため県内入りし、支持を訴えた。
枝野氏、改憲草案を批判
民進党の枝野幸男幹事長は27日夕、川崎市内で演説し、自民党の憲法改正草案に対し「今の憲法そのものが対案だ」と訴えた。
公認候補2氏の応援で県内入りした枝野幹事長は、自民党の改憲草案を「自衛隊を軍隊にし、地球の裏側まで行って戦争する。時の権力の都合で基本的人権をいくらでも侵害できる」と批判。安倍政権が過去の国政選挙後に特定秘密保護法、安全保障関連法を成立させた経緯にも触れ、「こんな改正案を堂々と出しておいて選挙では語らない。選挙で勝ったら『国民の理解を得た』としてまた進める」とも指摘、「現行憲法のほうが百倍も千倍もいい。われわれには堂々たる対案がある」として、現行憲法が対案と強調した。
今回の参院選で安倍首相をはじめとする自民党幹部の訴えについて「アベノミクスの化けの皮が剥がれてきたと国民が気づいてきたから、参院選は野党批判で乗り切ろうとしている」と指摘。
「医療や介護の安心、充実が経済対策だ。私たちは介護職員の待遇改善や保育士の賃金底上げ、労働法制の見直しなど具体策を出している。こうしたことを地道に進めることが経済を立て直す王道だ」と訴えた。
首相、アベノミクス推進
安倍晋三首相は27日、参院選神奈川選挙区で自民党が公認した現職、推薦した公明党新人と無所属現職の3候補それぞれの応援のため横浜、川崎両市内で街頭演説した。安倍首相は「選挙の最大のテーマは経済政策。アベノミクスは失敗はしていないが、道半ば。そのギアを2段も3段も上げて、エンジンをフル回転していくことが求められている」と理解を求めた。
安倍首相は「自公で政権奪還してから、国民や地域を豊かにするために経済政策を強く前に進めてきた」結果、雇用は増え、有効求人倍率の改善が進んだなどと成果を強調。一方、民進党や共産党など野党に対し「口を開けば批判ばかり。『安倍政治を倒せ』、この先の政策はない。本当に無責任だ」と強く批判した。
その上で、「力強く前に進んで経済を成長させるのか。あるいは3年半前の低迷した時代に逆戻りするかを決める選挙だ。前進か後退かだ」と強調した。
安倍首相はJR桜木町駅前での公明候補の応援に続き、JR川崎駅西口で党本部主導で推薦を出した無所属候補の応援演説。とんぼ返りで再び桜木町駅前でマイクを握り、自民候補の支持を訴えた。