任期満了に伴う南足柄市長選は、ともに無所属で、元同市部長の鎌田雅博氏(63)と、現職の加藤修平氏(66)=右から届け出順=の一騎打ちとなった。26日の投開票に向けて舌戦を繰り広げている両候補者の横顔を紹介する。
◆作家の書生経験も 鎌田雅博氏(63)
市内で一時期、市長選が無投票となる観測が流れた。「雇用減、人口減、このままでいいですか?」と立候補に名乗りを上げた。
県立西湘高校卒業後、映画評論家水野晴郎氏の映画広告会社に籍を置いたが、「もっと社会の勉強をしてこい」と早稲田大学社会科学部に。この間、小説「夏」やシナリオなどで知られる作家中村真一郎氏の書生も務めた変わり種。
大学卒業後、南足柄市役所に入り、職員組合の執行委員長にも。総務課長や議会事務局長、総務部長などを歴任。企画総務部長の時、私淑していた前市長の退任で市役所を去った。
趣味は旅行、自転車、登山、カラオケと多彩。「自転車は四国一周や北海道半周をした。晩春のこの時期、狩川沿いも気持ち良い。登山では丹沢や北岳など日本百名山のうち45山に登った。富士山は最後に」と相好を崩す。
好きな言葉は「一期一会」。「一度の出会いを大事にしたい」。母、妻、独立した2人の息子家族に孫3人。
◆そば打ちで腕自慢 加藤修平氏(66)
自宅は農家。朝から晩まで身を粉にして働き、子を育て、荷を載せたリヤカーを引く母の姿が原風景にある。
2006年に南足柄市役所を早期退職し、翌年市長選に挑んだが、敗退。東日本大震災直後の前回市長選を2度目の挑戦で制した。
1期目は市を二分した選挙で割れた人心の和に努め、行財政改革に取り組んだ。
「目には見えないが、この4年間で土を掘り、種をまいた。次は芽を育て実を結ばせる」と2期目に意欲を見せる。
趣味はそば打ち。そば粉に小麦粉を混ぜ、水を打ち、腰を入れてこねる。そばつゆは3週間前からだしを取り、ゆっくり寝かせる。「更科の二八そばが一番。皆がうまいうまいと食べてくれて、酒も話も弾む」と破顔一笑。
座右の銘は、「不易流行」。「時代を経ても変わらないものと時代に合わせて変えるものとのバランスが大事です」。家族は妻と息子3人、嫁、孫1人。