
第18回統一地方選前半戦の知事選、相模原市長選、県議選、横浜・川崎・相模原市議選は12日、投票が行われ、即日開票された。知事選は、現職の黒岩祐治氏(60)=自民、民主、公明党、日本を元気にする会推薦=が、過去最多得票に迫る210万票台を獲得。新人の政治団体役員の岡本一氏(69)=共産党推薦=を大差で寄せ付けず、再選を果たした。

知事選は、元知事の長洲一二氏が3選を果たした1983年以来、32年ぶりの一騎打ちとなった。大きな争点はなく、黒岩氏が知事1期目に取り組んだ施策に対する評価が最大の焦点だった。
黒岩氏は、初当選した2011年と同様に主要政党の支援を得て、与野党相乗りによる安定した戦いを展開した。選挙期間中は、各地で県民との対話集会や駅立ちを重ね、推薦を受けた自民、民主、公明党の国会議員らと横浜駅で演説も行った。
有権者には「神奈川から経済のエンジンを回す。成長戦略を神奈川から実現する」と繰り返し、超高齢社会を踏まえた神奈川の成長戦略を中心に訴えた。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区など三つの特区を活用した最先端の医療・ヘルスケア産業の創出や、太陽光発電など地産地消の新しいエネルギー体系への移行、20年東京五輪をにらんだ国際観光拠点づくりなどを掲げた。
公約として、1期目の政策の延長となる115本の施策を盛り込んだ政策集を発表。数値目標や期限が明記された施策では、▽4年間で国内外企業100社超の県内誘致▽外国人観光客年間200万人▽18年の全県待機児童ゼロ-なども掲げた。
元神奈川労連副議長の岡本氏は、憲法が生きた県政への転換を訴えたが、推薦を受けた共産党支持層以外に支持が広がらなかった。
これまでの知事選の最多得票数は、長洲氏が3選を決めた1983年の238万7030票だった。
黒岩祐治氏の横顔
兵庫県出身、早大卒。フジテレビ時代「スーパータイム」「(新)報道2001」でキャスターを務めた。退職後は、国際医療福祉大学大学院教授。趣味のミュージカルはプロデュースも手掛ける。座右の銘は「愚直」。家族は妻と息子2人。

