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2015統一地方選
ネット選挙解禁から2年 手探り続く候補者

選挙 | 神奈川新聞 | 2015年4月10日(金) 11:02

 インターネットを使った選挙運動が解禁され、初めての統一地方選前半戦が終盤に入った。ブログやツイッターを駆使して刻々と情報発信する候補がいる一方、街頭演説などの従来型の手法に専念する候補も。ネットの活用が得票に結び付くかは未知数で、ネット選挙解禁から2年たっても候補者の手探りが続く。

 「外国人観光客をも呼び込む拠点にしたい」。知事選に立候補した現職の黒岩祐治氏(60)は横浜市内の商店街を訪れ、ブログにこう投稿した。投稿は毎日1回程度で、多くが選挙中に出会った人への感謝の言葉だ。

 選挙に関心が低い有権者を振り向かせようとアクセス数が多いテーマを演説で重視することも。街頭活動で候補者のことを知ってもらい、ネットに誘導して詳しい政策をアピールする戦略だという。

 対する新人の岡本一氏(69)は毎日4~5回、自身の言葉と写真を更新している。街頭で生活保護を受けている女性から話を聞き、「社会的弱者の視点に立った政策を実行する県政を実現したい」とコメントした。

 スタッフが候補者の言葉を聞き取って書き込むスタイル。思いをリアルタイムで知ってもらい、地方政治に関心を高めてもらう狙いだ。自身の政策だけではなく、その日に訪れる場所も併せて発信する。

 ネット選挙は公職選挙法の改正で2013年に解禁された。選挙中も交流サイト「フェイスブック」に思いを書き込んでいる川崎市議候補の小田理恵子氏(43)は「組織や資金がなくても、考えを多くの人に伝えられる」と歓迎する。

 議会の問題点を4こま漫画に描き、ホームページで公開する一方、選挙カーを持たず、金のかからない選挙を目指す。「効果は未知数で反響が票に直結するとは思わないが、政治を変える可能性を感じる」と期待する。

 従来型の選挙運動に専念する候補も多い。相模原市議候補の山口美津夫氏(58)は「ネット選挙は全くやっていない。有権者の顔を見て、声を聞くことこそが大事だ」と力を込める。

 ホームページは持たず、政策を書いたチラシを配り、街頭に立つ。「解禁されて日が浅いネット選挙の効果は未知数。地道に選挙区を歩く」

 有権者はネット選挙をどう見ているのか。13年参院選で共同通信が行った出口調査でネット情報を「参考にした」有権者は10・2%。明るい選挙推進協会が前回統一地方選で行った調査では、投票の際に役に立ったもので「街頭演説」を挙げた人は7・6%、「候補者名の連呼」は3・2%だった。調査は異なるがネット選挙が従来選挙よりも効果があるとみる専門家は多い。

 早稲田大学マニフェスト研究所の青木佑一さんは「今は投票に結びつかないと考える人が多いが、ネットを投票判断のツールとして利用する傾向は今後強まる」とみている。ネット解禁によって「候補者の声が届きにくかった若者に届きやすくなる」と話し、まずは有権者が情報を得やすくなる効果に期待する。

 
 

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