12日投開票の県議選茅ケ崎市選挙区(定数3)は、現職3人と元職、市議から転身した新人の計5人が争う。前回は党公認候補4人による戦いだったが、今回は別の政党や政治団体から出馬する候補も。さらに無所属も加わり、多くの陣営が「票が読めない」と評する混戦となっている。
「民主党政権への批判が高まっていた前回に比べ、追い風は感じていない」。自民現職の佐藤光氏は、陣営を引き締める。前回は東日本大震災の直後で街頭演説は自粛ムードだったが、今回は党公認や推薦の市議候補とともに力を入れており、無党派層への支持も呼び掛ける。
現職の日下景子氏は民主公認としては2度目の挑戦だが、気掛かりなのは有権者に広がる政党不信だ。前回2人だった公認を1人に絞った戦略を取ったが、危機感を募らせる。唯一の女性候補であることを前面に押し出し、「子育て支援など女性ならではの視点を訴える」と差別化を図る。
1、2期目は民主から、3期目の前回はみんなの党から出馬した現職の岩本一夫氏は、今回は政治団体「わが町」から立候補。地元の市議候補らと連携するが、「今回は票の流れが読めない」。半面、政党の動向に左右されないメリットも追い風に、市民活動に積極的な層への浸透を狙う。
前回は市長選に挑戦した元職の藤間明男氏は、維新の党公認で返り咲きを目指す。特に狙いを定めるのが、政治そのものに不信感を抱く層だ。議員定数の削減や報酬の見直しなど「有権者目線の改革」を訴え、「政治を諦めている人が少しでも投票所に足を運んでくれれば」と期待する。
現職と元職との間に割って入り初当選を狙うのは、市議からくら替えした無所属の海老名健太朗氏だ。インターネットを使った情報発信に力を入れながら、無所属として「党や会派を超えて話し合いができる強み」をアピールする。県議との連携強化に賛同する市議にも協力を呼び掛ける。
公認が変わるなど情勢の変化もあり、多くの陣営が「票が読めない」と明かす。浮動票が鍵を握るとの見方もあり、候補者らは「知事選も含め、選挙への関心は低い。何とか投票を呼び掛けていきたい」と、投票率向上にも気を配っている。
■立候補者
藤間 明男 60 維元(1)
佐藤 光 45 自現(4)
岩本 一夫 67 諸現(3)
海老名健太朗 42 無新
日下 景子 59 民現(2)
【読み方】▽氏名、投票日現在の満年齢、所属党派、現職・元職・新人の別、丸数字は当選回数▽党派の略称は、自=自民党、民=民主党、維=維新の党、諸=その他の政治団体、無=無所属。並びは届け出順。