
神奈川新聞社が実施した世論調査で知事選の投票に際し最も重視する基準を尋ねたところ、「候補者の公約・政策」が41・5%で最も多かった。前回トップだった「行動力・リーダーシップ」は18・7%に半減。900万県民のかじ取り役に求める要素は、社会情勢や政治的安定性を反映しているようだ。
前回の知事選(2011年)は、東日本大震災の直後。未曽有の災害に直面した危機感やマニフェスト(選挙公約)実現が疑問視される民主党政権への不信感から政策実行のリーダーシップが求められ、前々回(07年)に最多だった「公約・政策」を上回った。震災から4年が経過し、自民党の安倍政権に交代するなどの状況変化が影響したとみられる。
今回の世論調査によると、このほか重視する基準は「経歴・実績」(12・5%)、「政党や団体の推薦・支持」(10・4%)、「人柄」(9・6%)が続いた。
年代別にみると、すべての世代で「公約・政策」を選択する割合が最も高かった。20代は約50%を占め、年齢が上がるにつれて比率が下がる傾向がみられ、70歳以上は約30%だった。
候補者別では、現職の黒岩祐治、新人の岡本一の両氏の支持層ともに最多は「公約・政策」。黒岩氏支持層では「行動力・リーダーシップ」、「経歴・実績」が続いたが、岡本氏支持層は「政党や団体の推薦・支持」、「経歴・実績」だった。
神奈川新聞社が知事選に合わせて実施した世論調査によると、県内有権者の政党支持率は自民党が31・2%でトップだった。各年代、県内全域で満遍なく支持を集め、民主党政権下で、当時野党だった4年前の前回調査に比べ約8ポイント上昇。野党勢力を引き離しており、この間、2回の衆院選に大勝した勢いの継続をうかがわせる。
野党第1党の民主党は6%で、前回に比べ約8ポイントの減。60代以上や川崎市で比較的支持が強めに出ているが、党勢回復が進んでいない現状を物語る。
次いで、公明党と共産党が3・9%で並んだ。公明が前回比約2ポイント減ったのに対し、共産は微増した。昨年9月に結党し、初の統一地方選に臨んでいる維新の党は2・4%にとどまり、社民党が1%で続いた。
一方、特定の支持政党を持たない無党派層が46・1%(前回比約11ポイント増)に上り、ほぼ半分を占めた。また、前回は、みんなの党(昨年11月に解党)が自民、民主に次ぐ10%の支持を集めていた。無党派層や前回、みんなを支持した有権者の動向が、県議選や政令市議選などに影響を与えそうだ。