神奈川新聞社は、統一地方選前半戦の知事選と相模原市長選(いずれも12日投開票)の世論調査を行い、取材を加味して中盤情勢を探った。両選挙とも現職候補が優位に戦いを進めており、新人が追う展開。半数近くが誰に投票するか決めておらず、流動的な要素も残っている。調査は今月2~5日の4日間、有権者を対象に電話で実施した。
知事選
知事選は、再選を目指す現職の黒岩祐治氏(60)が優位な戦いを進め、新人の岡本一氏(69)が追う展開となっている。
自民党、民主党、公明党、日本を元気にする会の推薦を受ける黒岩氏は、自民支持層の7割強、民主支持層の6割、公明の6割強から支持を集めている。さらに維新の党支持層の6割、無党派の半数近くに浸透するなど、岡本氏に差をつけている。
地域別では、県内全域で幅広い支持を得ており、県西部、川崎市で6割、比較的低い横浜市北部でも5割近くに達している。
性別では、男性の6割、女性の5割が支持。このうち男性の30代で8割強、50代で7割近くから支持を受け、各年代でリードしている。職業別では、サラリーマン層を中心に高い支持を集める。
一方、共産党から推薦を受ける岡本氏は、共産支持層の7割強を固めた。民主支持層の2割、社民党支持層の4割強にも食い込むが、無党派層を含め、全体的に支持の広がりを欠く。
年代別では、各年代で支持が伸び悩むが、男性の60代、子育て世代である女性の30代に比較的支持されている。
職業別では、各職種の支持で黒岩氏に水をあけられているが、公務員・団体職員などは支持がやや強めに出ている。
相模原市長選
相模原市長選は、3選を目指す現職の加山俊夫氏(70)がリードを広げ、新人で共産党北部地区常任委員の中野渡旬氏(66)が追う展開となっている。
自民党、民主党、公明党が推薦する加山氏は、自民支持層の7割、民主支持層の9割、公明支持層の9割近くを固めた。無党派層からも4割の支持を得た。
年代別では、20代が6割と最も高い支持。他年代も5割前後と、満遍なく支持を得ている。「人柄」や「経歴・実績」を投票で重視する基準としている人の6割超が支持。「親しい人からの依頼」を理由にした人の割合も高かった。
共産党公認の中野渡氏は、同党支持者の6割近くを固めた。しかし、無党派層は2割弱にとどまり、共産以外の支持層に浸透できていない。
「政党や団体からの推薦・支持」を投票する際に重視している人からの支持が多かった。職業別では、公務員・団体職員などからやや高い支持を得ている。
▽調査の方法
県内の有権者を対象に2~5日の4日間、コンピューターで無作為に番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。知事選は815人、相模原市長選は300人から有効回答を得た。