4月3日に告示、12日に投開票される横浜市議選(定数86)はこれまで、前回(142人)よりやや少ない約130人が出馬の意向を示している。重点課題としては少子高齢社会を見据えた地域包括ケアシステムの構築や防災対策を掲げる候補者が多い。各区の状況や顔触れを4回に分けて紹介する。
議席奪取狙う民主
【鶴見区】
現職6人、新人1人、元職1人の計8人が6議席を争う見通し。民主が前回同様2人を擁立し、議席の奪取を目指す。
自民・山田は7期の実績も売りに「笑顔あふれる街づくり」を掲げ、防災や子育て支援を訴える。
自民・渡辺は少子高齢化を見据え、地方への権限移譲が進む中での横浜モデルの創造を掲げる。
民主・谷地は元市議。地域経済の活性化、雇用の安定化、男女が共同に参画できる社会の実現を訴える。
民主・沢村は元生活支援員。社会福祉への取り組み、動物愛護、子育てや女性支援を掲げる。
維新・有村は徹底した行財政改革で市民がいきいき暮らせる環境を鶴見からつくると主張する。
公明・尾崎は防災対策、子育て・教育対策、地域包括ケアシステム構築などで地域力アップを訴える。
共産・古谷は横浜へのカジノ誘致反対を訴えるほか、中学校での給食実現を挙げている。
無所属・井上はカジノ誘致や新市庁舎移転に反対、中学校給食実施や若者、子ども支援の充実を訴える。
解党したみんなの党にいた県議が無所属での出馬を検討している。
定数5に現新8人
【神奈川区】
現職5人、新人3人の計8人が5議席を争う。
自民・小松は地域の中小企業を生かし地元が潤い、横浜の経済を発展させていきたいと訴える。
自民・藤代は若者の政治参加や公民連携によるまちづくりの推進で横浜の「地域力」アップを掲げる。
民主・中山は乳幼児期から学齢期まで「切れ目のない子育て支援」の充実を掲げる。
維新・田村は地域の防災力の向上や身を切る改革を訴え、「神奈川からの維新」を主張している。
公明・竹内は地域包括ケアシステムの推進、生活支援機能を備えた商店街活性化策を主張する。
共産・宇佐美は特養ホームを増設し、申し込みから半年以内に入所できるようにすると訴える。
神奈川ネット・中尾は子育て施策の充実や高齢者の居場所、障害者の働く場づくりの推進を掲げる。
無所属・平野は経済評論家。議会で質問に臨んだ登壇数や日ごろの地元での活動実績を訴える。
自民2人に民維共
【西区】
定数2で自民の現職2人に民主、維新、共産の3新人が挑む激戦区。自民が2議席を維持できるかが注目される。
自民・清水は暮らしの中に身近な市政、分かりやすい政治を掲げて、6期目を目指す。
自民・上野は2012年補選で当選。超高齢社会の課題解決に向けた新たな仕組みづくりを訴える。
民主・梶尾は元議員秘書。高齢者を見守り支えるネットワーク構築や福祉サービスの充実を掲げる。
維新・辻は元介護職員。経済と福祉施策の融合を唱え、地域包括ケアシステムのモデル創設を訴える。
共産・持丸は元印刷所社員。中学校での給食実現や民主主義、平和を大切にする教育を掲げる。
1減3議席で激戦
【中区】
定数1減の3となり、現職3人、新人4人が争う激戦区。現職3人が議席を保てるか注目される。
自民・松本は市内企業の活性化や、自治会町内会など地域組織の活動の支援を掲げている。
自民・伊波は父の地盤を引き継ぐ。元大臣秘書官で市や国と連携し、優しく強い横浜の実現を訴える。
維新・串田は幅広く市民の声を聞き、市民生活にプラスになることを着実に実現していくと訴える。
公明・福島は災害に強い街と人づくり、生涯健康で長生きできる「幸齢社会」の実現を掲げる。
共産・椎谷は画家。中区へのカジノ誘致に反対し、カジノより横浜に砂浜を設けるべきと主張する。
無所属・清水は歌手。国際都市ならではの経済効果を発揮できる入場無料の野外フェスの実施を掲げる。
無所属・森は看護師。孤独死防止の電話相談開設や若者が給付型奨学金を受けやすい制度実現を訴える。
現新元7人が争う
【南区】
現職5人に新人1人、元職1人の7人が5議席を争う。民主が失った議席の奪還を狙う。
自民・渋谷は港や交通網の積極的な整備で横浜の持つ可能性を最大限に発揮できる成長戦略を訴える。
自民・遊佐は放射線対策や崖地問題への取り組みをもとに、世代をつなぐ横浜づくりを目指す。
民主・伊藤は元市職員。災害に強い持続可能な地域や保健・医療・介護が連携したまちづくりを訴える。
維新・木下は健康寿命の延伸への取り組みで人生90年時代を前提とした活力ある社会の構築を掲げる。
公明・仁田は「妊娠・出産・子育て包括支援センター(仮称)」の設置などを掲げている。
共産・荒木は南区庁舎移転後の区民の足の確保、崖地対策、不燃化などの防災対策強化を訴える。
みんなの改革・片桐は元市議。前回は家族の介護で不出馬。医療介護の充実や英語教育推進を訴える。
(敬称略)
◇鶴見区(6-8)
山田 一海 69 自現(7)
渡辺 忠則 50 自現(2)
谷地 伸次 68 民元(1)
沢村 裕美 39 民新
有村 俊彦 45 維現(1)
尾崎 太 49 公現(1)
古谷 靖彦 43 共現(1)
井上 桜 50 無現(5)
◇神奈川区(5-8)
小松 範昭 58 自現(1)
藤代 哲夫 35 自現(1)
中山 大輔 39 民現(3)
田村 雅俊 48 維新
竹内 康洋 54 公現(1)
宇佐美清香 37 共新
中尾 延子 42 ネ新
平野 和之 39 無現(1)
◇西区(2-5)
清水 富雄 59 自現(5)
上野 盛郎 44 自現(1)
梶尾 明 46 民新
辻 賢治 52 維新
持丸 宗行 68 共新
◇中区(3-7)
松本 研 63 自現(5)
伊波俊之助 44 自新
串田 久子 49 維現(2)
福島 直子 58 公現(3)
椎谷 猛 68 共新
清水 卓哉 41 無新
森 英夫 43 無新
◇南区(5-7)
渋谷 健 56 自現(2)
遊佐 大輔 33 自現(1)
伊藤 純一 42 民新
木下 義裕 37 維現(1)
仁田 昌寿 58 公現(5)
荒木由美子 55 共現(4)
片桐 紀子 51 み元(2)
【注】(1)選挙区に続くカッコ内の数字は定数-立候補予定者数(2)年齢は投票日基準の満年齢(3)自=自民党、民=民主党、維=維新の党、公=公明党、共=共産党、次=次世代の党、気=日本を元気にする会、み=神奈川みんなの改革、ネ=神奈川ネットワーク運動、諸=その他の政治団体、無=無所属(4)現=現職、元=元職、新=新人(5)丸数字は当選回数(6)一覧の並びは国会(衆院)の勢力順。
【神奈川新聞】