前々回と同じ2氏表明
4月12日に投開票される県議選逗子市・葉山町選挙区(定数1)は、無投票だった前回から一転、現職と元職が名乗りを上げている。前々回、新人と現職として相まみえた同じ顔ぶれ。今回は立場を変え、8年ぶりの一騎打ちとなりそうだ。
「確かに同じ顔ぶれだ。一つ違うのは、わたしが挑戦者になったこと」。そう話すのは、自民党の元職・矢部房男氏(62)。
逗子市議3期を経て1991年の県議初当選以来、4期連続で当選し地盤を築いた。だが2007年、無所属新人だった近藤大輔氏(45)に敗北。翌08年の葉山町長選に立候補したこともあり、前回の県議選への出馬を断念、党としても8年間の「不本意」(選対)な空白期間に甘んじた。
しかし昨年3月の逗子市議選(定数18)で、党市議団は5議席に躍進。安定した党勢も背景に、「やり残したことがある」と党公募に応募、昨年7月に公認を得た。議員経験豊富ながら、「ゼロからのスタート」と返り咲きを誓う。
受けて立つ近藤氏は、「相手はベテラン。先輩だ。大いに舌戦を繰り広げたい」と気勢を上げる。全駐労の組織内候補ながら前回までの民主党推薦は受けず、無所属でみたびの当選を目指す。
選挙区内の首長たちとの密な連携ぶりもアピール。活動報告チラシには、平井竜一逗子市長、山梨崇仁町長とがっちり握手を交わすスリーショット写真を刷り込んだ。「2期8年の実績を激烈に訴えたい」と気合が入る。
一方、これまで表立った動きを見せていないのは、浅尾慶一郎氏(衆院4区)が立ち上げた地域政党「神奈川みんなの改革」。昨年3月の逗子市議選では、みんなの党(当時)の公認候補を現新計3人立てたが、県議選は前回も候補擁立を見送っている。
逗子市議だった近藤氏が県議選で初当選した際、推薦を決めた民主党県連代表が浅尾氏だった。政策的な親和性について両氏関係者も認めており、浅尾氏側が積極的な擁立を見送った理由の一つともみられている。
【神奈川新聞】