
知事選(3月26日告示、4月12日投開票)に無所属で再選出馬を表明している黒岩祐治知事=自民、民主党推薦=は16日、2期目の公約となる政策集を発表した。「成長戦略の具現化」「安全・安心」「医療と健康・未病」など8項目を柱とし、4年間で国内外から100社超の企業を県内に誘致する目標も掲げた。
具体的な施策は115本。2018年までの目標として、全県で待機児童ゼロ▽認知症予防運動(コグニサイズ)の参加者10万人▽外国人観光客年間200万人-などを盛り込んだ。
産業政策では、スマートエネルギー計画の推進、再生医療や医療機器などの開発支援のほか、新たな企業誘致策の導入を検討。国際的医療人材養成機関「メディカルイノベーションスクール」設置、20年までに100万人が参加するマイカルテの実現なども掲げた。
1期目の延長となる取り組みが大半で、エネルギーや健康医療関連などで新産業を創出して税収を伸ばし、福祉・介護、子育てといった支援策の充実を目指すとしている。
県庁で会見した黒岩氏は、「東京五輪・パラリンピックに向け、世界に発信できる神奈川をつくりたい」と意欲を示した。
◇「マニフェストは転換期」
黒岩祐治知事の2期目の公約で、数値目標が明記された施策は全体115本のうち10本にとどまった。松沢成文前知事は数値目標や手法、財源措置を掲げたマニフェストを重視したが、黒岩知事は「マニフェストの時代は転換期を迎えている」と否定的な見解を示した。
黒岩知事は「時代の流れは非常に速い。4年先を見通した計画も大事だが、ある種の計画経済という感じもする」と疑問を呈した上で、「大きな方向の中でみんなが知恵を絞る行政を進めたい。躍動感のある行政を考え、数値目標でがちがちに決めなかった」と説明した。
数値目標を定めた公約も国の達成目標と同時期の待機児童ゼロなどが並んだ。前回選挙で唯一数値目標を掲げた「4年間で200万戸に太陽光パネル設置」は公約達成に遠く及ばなかったが、今回明記した数値目標については「(1期目に)実際の政策は容易ではないと学習した。実現可能な中でなるべく高めの数字にした」と述べた。
【神奈川新聞】